
のライヴ・バージョン。彼女たちは昨年7月リリースのトリビュートアルバム『BOOMANIA~THE BOOM SPECIAL BEST COVERS~』でもこの曲を取り上げていたが、今回収録されているのは今年のツアー初日の音源で、THE BOOMとの共演、宮沢とMINMIとのデュエットが実現している。ライヴの熱気と一体感とが伝わると同時に、アルバムへの予告的な要素もありそうだ。
-栃木-
「もともと日本の昔の流行歌はジャズ、ラテンなど、当時の流行りのリズムに日本独特のメロディを乗せて作っていたと思うんですよ。同じように、僕らが今の感覚、今のリズムで作ったら、新しい日本の流行り歌のアルバムが作れるんじゃないかと思ってます」
-山川-
「アルバムも2010~11年のTHE BOOMじゃなきゃ作れないものを目指したいですね。バンド感も出したいし、いい音で録りたいし、日本の音楽だなって感じてもらいたい。かなり欲張りですけど、やるからには徹底的にやりたいですね」
-小林-
「先日、30年ぶりくらいで盆踊りに行ったんですが、日本の夏の情景を思い出して、血が騒いだんですよ。そうした感覚も思い出しつつ、いいアレンジ、いいバランスで表現していけたら」
"日本"をテーマに掲げて音楽を作ることは現在の日本の音楽シーンの洋楽志向と日本本来の音楽を軽視する風潮に対するバンドの強烈な意思表示でもありそうだ。そういう意味ではアグレッシヴでクリエイティヴ。逆説的な表現になってしまうが、精神的には実にロック、尖っているという言い方も成立しそうだ。世の中の空気に流されず、彼らは普遍的で本質的でなおかつ斬新な音楽を作ろうとしている。こんな言葉も印象的だった。
-宮沢-
「昔は良かったというようなことが言いたいわけではなくて。パロディはやりたくないし、今の音楽じゃなきゃいけないと思っています。ただ、過去の音楽を聴き直すと、先輩たちが作った質の高い日本の歌謡曲、流行曲が膨大にある。そうした素晴らしい財産への理解を深めて、しっかり継承しながらも、今のTHE BOOMの音楽を作っていけたらと思ってます」